ハナアソビ

　　　　　　　　　　　　　　－詰んで
 　　　　　　　　　　　　　　　　　　撫でて－

慈しむように…



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　独りで咲いた花のよう

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今宵星を見上げて



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　風に吹かれる





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－焦らして
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　戯れて－



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　野ざらしのまま



　　　　　　　　　　　　　　　　　　－嬲って
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　接吻して－


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弄ぶように



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－姆いて
 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　濡らして－





　　　　　　　　　　　　―――そして散って逝く定めなら
　　　　　　　　　　　　　　　　なんて美しい終焉でしょう

GAME

　　　　　　　　　　 好きで
　　　　　　　好きで

　　　　　　　　　溺れる程好きだから

下唇を指で詰って
　　罪な吐息

　
　　　　　　　　　　　　　　　　引き出してよ


　　　　　『誘うのは貴方』

可哀相ね。
本当に仕向けたのは私なのに…


　　　　　　　　開いた唇に留まる
　　　　　　　　　　　　貴方はもう
　　　　　　　　　蜜に魅了された憐れな蝶…



細い指で誘って…


　　　　　　　　　　　　　　　　　　『　ねぇ・・・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　愛する価値は有るでしょう？　』


貴方から誘ってよ
折れる程の包容で


　　　　　呆れる程直情的が
　　　　　　　　　　　今はイイ



そして…

　　　　嗚呼
　　　やっぱり溺れるのは私なのね



　　　　　　　　　　　『　窒息しそうな程
　　　　　　　　　　　　　　　　　　貴方を感じてたい　』



　　　　　　　　　　　　　　　　トランプの様に
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　裏表
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　云ったり来たり

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　本気の遊戯


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　溺レル？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　墜チル？


　　　　　　　諦メル？
　　　　　　　　　　　　手放ス？



　　　　　　　　　　　　　　　　　そ れ と も ･･･
　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 “　進む？　”


好きで
　　好きで


大好きだから

　　　　『憎らしい。』


　　　　　　　のに・・・。



やっぱり呆れるほどに


　　　　　　　　　『愛してる。』


　　　　　　　　　　　　　　　蜜を塗った魅惑の吐息で
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　幻想じゃない濡れた瞳で

　　　　　　　　　　　　　　　　　　薄いヴェールのその指先で・・・。



ゲームの開始は私自身が促してしてあげる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　・・・嫌でも参加したくなるでしょう？




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　薄く唇開くから
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　貴方

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今宵も遊びましょう…？

歌姫

泣き叫ぶ様に君は唄い
僕は聞かないフリして嗤う

― ヨワイニンゲンハイラナイ ―

心の中で牙を剥き
僕はそっと微笑みを投げ掛ける

唄声が途切れたなら
折れるくらいに
抱きしめよう


君が飛べなくなったなら
籠の中に閉じ込めて…
僕だけのモノにして

愛でてあげようか？


声さえ出ないカナリアは
もう空も飛べない
哀れなただのイレモノ。



直線的な感情は
他人のシールドに
阻まれて
屈折していく

か細い君の唄声は
歪んだ僕の耳に直接届いた



それは、そう　

　　　　　　　　　―　運命　―

そして廻り始めた歯車に
絡め捕られて往く


夕方の橙を押し退けて
差し込む天使の階段のように

君の唄声は神聖で



だからこそ真新しい雪道の様に
汚したくなる


そう、初めての衝動だった。

陶器の様な君だから
どれ程のものかと思えば・・・


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　細い首に少し力を入れたくらいで
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　壊れちゃった・・・。


そうか、コレは最期の夢。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ どうりで君がいやに美しく
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人間らしい。）




コ　ワ　レ　タ


君が。


ブリキ人形みたい に か細い声 で
血 の歌 を 奏で  る ・・・


                                                                 も う  他人 を魅 了しな  い   声       で・・・


私ダケ ヲ  魅了スル・・・



                                      　　　　　　　　　　　　　　　さぁ
                                        　　　　　　　　　　　　　　　　最期の唄を歌っておくれ？


私の愛した、美しくも残酷な　ディーバ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヤット君ノ元ヘ逝ケルヨ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　モウ、放サナイ

道化師

僕の唇は
　独り　歩き

有り得もしない
　　嘘並べ

偽善の棚は
いつも満席

払いきれない
偽善のローンで
自分自身を追い詰める・・・。


ねぇ・・・
逃げられないのよ。

解 っ て る で し ょ う ？



鏡の中の僕はピエロ
騙すのは観客じゃなくて
僕自身

笑顔の仮面貼り付けて



　　　　　　　　　さぁ
　　　　　　　今宵泡沫へと散りましょう・・・


おいでなさい
　　　おいでなさい


最高のショーの始まり始まり・・・



塗り固められた
ペルソナは
年々数を増やしてく



舞い踊るは
蝶に華に

ジブン着飾り
スポットライト

あびれば寿命は縮むのに

自分着飾り
完全防御




ネェ貴女
御嗤いでしょう？
それとも哀れむのかしら？

それとも・・・かこって下さるの？





ヒラヒラと誘う様で
いっそ涙を誘おうか？



月の中で
マリオネット

糸に縛られ
憐れに踊る


見つめる先は
観客席のアナタだけ



さぁ・・・
一緒に踊りませう


伸ばした腕は
貴方に届く筈もなく
今宵も空しく独り果てる



哀しみのアリアなのか
耳を劈く飛翔のオペラ


ふふふ・・・

遠くで誰かの嗤い声が響いた・・・

チェックメイト

Poison voice

 

何度も、確認する

 

相手を縛るその『詞』

 

傷を舐めあう

獣の様に

 

互いを想う

そんなフリして

 

塩を塗り込み

 

 

決して

もう二度と…

離れられないように、と。

 

傷を拡げて…

 

 

 

両手に絡む

薔薇の『蔦』を…

両足に纏う

鋼の『楔』を…

 

 

唇から、発する…

 

 

逃れる、術を

 

 

絶ち切っていく…

 

 

 

 

そして、アナタを…

 

否

私自身さえ、追い詰めて…

 

じわじわと、染み込ませていく

 

 

 

 

まるて、毒の様に…

そして、麻薬の様に…

　

蝕んで…

 

 

 

 

決して、安心など出来ないこの世界

前も、見えない「闇」の中…

 

足跡さえ遺らずに…

 

『置き去りの迷い鳥よ

僕が飼い馴らしてあげようか？』

 

 

君の誘惑に侵されて……

 

 

今、この立ち位置しか無い、私を抱いて…

 

 

　　　　　　　　　　　　　　嗚呼

　　　　　　　　　　　　　　　溺 れ て く ・・