碧

息の出来ないような苦しみが
少しずつ降り積もって・・・。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　やがて溶けない氷河に変わる。



流した涙は
　　涙の分だけ傷になって・・・。

浅い傷が痛み出した頃
重なるように出来た傷で
押し流すように


また、一つ
　　　　　　　　―――海に沈めた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　深く、深く・・・。


こうして
積み上げられていくその六花を
消化しきる前に

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　また、う（産・膿）みだして



熔かしきる前に
降り積もってゆく


　　　　　　　　　　　　　　　　　　悲しみが・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　溶けて、その上にまた、積もり
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やがては溶けて・・・。


雪解け水は、永遠に春をみず

産まれ墜ちてから
長い時間をかけて
海を創った


この冷たき母水で
独り
　生き永らえながらも・・・。

何億万と云う永い時間を消化すれば。

『息 を し 続 け る』

その、幽かな重みしか持たないはずの
その、意味は
そのまま永眠る理由を阻み
唯
眠れない私を造りあげる

終らない勇気も持てなくて



だからこそ
深海で尚
薄い光を探した









微光を少しずつ
掻き集める様に


次第に退化していく眼を
少しずつ慣らして



海を彷徨いながらも
私はいつか君に出逢うから



いつか、君に遭うから・・・。



その時までには、笑っていよう。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その時には、笑っていよう。

喪失

失ってから、気付くもの

きっと
多い

って
誰かが言ってた。


君も、言った。


あの夏の日。
夕焼け空を背にして
微笑ってたね。


でもさ。

僕は、今でも君を想ってるんだよ。


離れても、
亡くしても


君を、想ってるんだよ？


だから、失ってなんか
ないんだよ。



だから、亡くしてなんか
ないんだよ。




まだ、僕はこんなにも君を想ってる。



ねぇ
今でも好きなんだ。


想い続けてるんだ・・・。





「君」は失ったけど。
僕は、君を失ってないよ。



だって
今でも君は此処に居るから。




見えないけれど。

微笑って
此処に居るから。




だから・・・。

僕は、永遠に
君の側に居る。


僕が想い続ける限り
君が側に居る。

永遠≦終焉

貴方が…



その詞を放って
冷たい指で私の首を触って


ほんの少し･･･
気まぐれのように
抱くように

力さえ籠めてくれたなら


私は貴方だけを永遠に刻み付けて



笑って



イけるのに





私は

その日まで



ゆっくりと…


たゆたうように
瞼を
閉じて

いつ終わるとも知れない
幻覚を見続けるの…



いくら
痛いほど
抱き合っても

一つに
溶け合えないけど



それに近い世界まで上り詰めて


極めたと感じた瞬間
堕ちていく


小さな
　小さな
その終焉を


終わらないユメを

みるの





長い、永い



ゆめを、みるの

紅涙

ど う し て そ ん な こ と を し て い た の ？


聞かれても
「その時必要だったから」としか答えられない



ただ、自分が嫌いだった
ただ、世界が真っ暗だった
ただ、どうしようもなく…


眠ることさえ、怖くて



幸せで・・・
　　　　　　幸せで・・・



「倖せ」で・・・。



なのに・・・

　　　　　　　　　　　く　る　し　く　て



息も、出来なくて。
酸素が薄くて。

　　　喉が、渇いて。




笑うのに、必要だった。






この身に流れる命を
涙にして反すしか…

他に、無かったから・・・。




だから、依存した。



綺麗とさえ、思った。
快感だった。


くらくら

　　　くらくら



眩暈と、痛みと鉄の匂。

　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　嗚呼。

　　　　だから

　　　　　　　　　所詮

意味なんて


　　　　　　　　　　　無いのよ。




　　　　　だ っ て、在 る の は 本能 だ け で しょ ？　　　　　　　

自画像

人を造るには白だけじゃ
出来ないね

茶色、ピンク、白色、黄色
少しの緑と青。

いろいろ混ぜて、自分だけの肌色作って…
陰は少し茶色を多めにしようか？
そのままじゃ綺麗じゃない、そんな色も…
立体的に形作るには、必要不可欠なんです。


「私」を造るには、いろんな色が必要で



結局透明ばかり望んでも
　　　　　結局それは無理なんだね




重ねてく

　　色を
　　　　　　　心を。


全ての色を

　　　　重ねてく。



私の歩む足の裏から、

　　　　　　　　　　　　　　　　風から

　　　　花から

　　　　　　　　　木から
　　　光りから…

歩んでく、この路から…


いろんな色を盗んで

混ぜて
時に捨てながら。



たった一枚の、私のを造るんだ




自分にしか画けない、自画像を。
　　　　たとえ何枚破り捨てようとも。



いつか、
　　　　何時の日にか・・・



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　完成させよう・・・。